2013年05月09日

『Audition』2013年6月号の福田麻由子インタビュー

『Audition(オーディション)』2013年6月号の20ページに、特集「イマドキ女優・俳優存在感ヒミツ」の一環として、福田麻由子さんのインタビューが載っています。
【引用ここから↓↓↓(福田さんの発言は太字にしました)】
確かな演技力に大人っぽさがプラス!
福田麻由子

インタビュアー「いままで監督やスタッフさんから自分の雰囲気について言われた言葉で、印象に残っているものはある?」
福田「パッと見のイメージで、おとなしいとか暗(くら)そうとか言われることが多いですね。実際の私はすごくおしゃべりなんですけど。新しい作品に入ったばかりの頃は緊張(きんちょう)してとりあえずじっとしてようと思ってるので余計おとなしそうに見られてしまうんですね(笑)」

インタビュアー「そういうふうに見られることに対しては、どう思う?」
福田「仕事の現場での自分は、普段の自分とは別物だと思ってて。別に意識(いしき)してそうしているわけではないんだけど、本来の自分というのは友達の前だったり、親しい人の前で出せればいいかなって。仕事場は、私にとってちょっと異空間(いくうかん)なんですよね。小さい頃からこのお仕事をやらせてもらってるのに、“私はなんで場違(ばちが)いなところにいるんだろう”という感覚(かんかく)がいつまでたっても抜けないんです(苦笑)」

インタビュアー「自分の個性はどんなところだと思う?」
福田「自分ではホントに個性がないなと思っていて・・・でも、あえて言うなら、テレビの世界とかのキラキラした感じになじめないところが個性なのかな(笑)」

インタビュアー「個性を出すために、普段から心掛けていることはある?」
福田「全然ないですね。“福田麻由子はこういうイメージ”というのもついてほしくなくて。“このシーンのあの役の子がよかったな“みたいに、自分のことを作品の一部として見てもらえるのが一番うれしいんです。」

インタビュアー「自分の好きなことや趣味が、芸能活動にプラスになったと思うことは?」
福田「私は古いロック音楽を聴(き)くのが好きなんですけど、それがきっかけでスタッフの方と話せる話題も多くなりますし、そこから会話が広がって、新しい発見があるので単純に楽しいですよね」

インタビュアー「間もなく、舞台『いやむしろわすれて草』の公演が始まりますが(インタビューは4月)現在の意気込みを!」
福田「この舞台(ぶたい)は会話劇(かいわげき)で、特に大きな事件が起こるわけではないし、ダンスやアクションがあるわけでもないんですけど。そういう作品を映像ではなく舞台でできるということが、とても贅沢(ぜいたく)だなって。今はあたって砕けろの精神で、一歩踏み出したいなと思ってます」

インタビュアー「この作品も存在感のあるキャストばかりだけど。普段から、先輩(せんぱい)の役者さんの佇(たたず)まいなどが勉強になるなと感じることはある?」
福田「それはもう!どの方を見てもスゴいなって思います。中学生の時、『霧(きり)の火 樺太(からふと)・真丘郵便局に散った九人の乙女たち』というドラマで名取裕子さんとご一緒したんですけど、たくさんアドバイスをくださって、その時期、私はいろんなことにすごく悩んでた時期だったので、とてもありがたかったのを覚えてます。そんなふうに周りの人のことを気遣(きづか)えるのはホントにステキですよね」

福田「私は父親の影響で、Theピーズとか古いロックが好きです。今までは聴(き)くだけだったけど、楽器にも挑戦してみようかな。最終的にはベースを弾けるようになりたいんですけど、とりあえずギターから始めようか、悩み中です」

ふくだ・まゆこ
1994年8月4日生まれ。
東京都出身。
映画 『桜、ふたたびの加奈子』
TV CX『未来日記 ANOTHER WORLD』、『それでも、生きていく』ほか。
主演をつとめる日仏合作映画『フレア』が8月仏先行公開予定。
フラーム所属。


舞台「青山円劇カウンシル#6 〜breath〜 『いやむしろわすれて草』」
新しい魅力溢(あふ)れる作品を提供している青山円劇カウンシルの第6弾。長女に菊池亜希子さん、次女に伊藤歩さん、三女に満島ひかりさん、四女に麻由子ちゃんという4姉妹を中心に描かれる会話劇。
■5月16日〜5月26日
■東京・青山円形劇場
■6300円(全席指定)
■問い合わせ Age Global Network
電話03−3587−2120(平日11時から17時)
【引用ここまで】

posted by mayuko at 12:56| 雑誌に出た福田さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月06日

福田麻由子さんの村上春樹論(その2)


『村上春樹を知りたい。』(学研パブリッシング)の6〜7ページに小説家・村上春樹の2つの作品(『海辺のカフカ』『アンダーグラウンド』)についての福田麻由子さんの感想が出ています。

【引用ここから↓↓↓(福田さんの発言は太字にしました)】
Haruki Novels On My Mind 
福田麻由子(女優)

初めて読んだ村上春樹さんの小説は『海辺のカフカ』でした。当時、私は14歳。主人公のカフカ君が15歳で、年齢的に同じぐらいだったので読んでみたいなと思ったんです。その頃は、今よりもすごく世界が狭(せま)くて――それは物理的な意味でもそうで、たまにお仕事で都心に来る以外は、毎日通学する中学校までの20分ほどの何もない道が世界の全てでした。そんなときにこの作品を読んで、大げさかもしれないけど、「世界ってもっと大きいのかもしれない」と感じたんです。最後の<目覚めたとき、君は新しい世界の一部になっている>という一文を読んだ瞬間(しゅんかん)、「わーっ!」となって、少しだけれど、確実(かくじつ)に世界の見え方が変わっていたのを覚えています。その頃の私は、大人になるのがすごく嫌(いや)なのに、そのくせ大人がいないと何もできない自分への苛立(いらだ)ちがあって、微妙(びみょう)なところでモヤモヤとしていました。でも『海辺のカフカ』を読んで、「あ、私は自分自身で動(うご)こうとしていないんだ」と気づいたんですね。こんな狭い世界で自分はどこにも行き場がないと思い込んでいたけれども、実際には行き場なんていくらでもあるんだって――カフカ君は遠くまで旅をしていますけれど、実際に場所を動かなくても、ちょっと見方を変え、自分から一歩踏み出していけば新しい世界が見えるのかも、と勇気づけられました。
それ以来、『海辺のカフカ』は何度も読み返しているのですが、読むたびに新たな発見や感慨
(かんがい)があるのも、この作品のすごいところです。最近、読み返したときは、「暴力(ぼうりょく)というのはどこから来るんだろう?」というようなことを考えました。
この世には、どうやっても逃げられない力や避
(さ)けられない暴力があると思うんです。そのときに「これは避けられないから」って諦(あきら)めるのか、それとも、そういった場面でも何かできるのか――答えはないかもしれません。でも、「ある」って信じたい。カフカ君やナカタさんにもそう信じていて欲しい。ジョニー・ウォーカーとのやりとりの場面は、何度読んでも涙が出ます。ナカタさんが暴力に立ち向かう姿――それはすごく弱い力だけど、大きな意味があったと思うし、あの場面を読んでいるとすごく悔しい気持ちになるけど、その悔しさというのは、私たちが普段(ふだん)生活していくうえでずっと持ってなきゃいけないって思うんです。生きていくうちに、そういう悔しさをいつしか忘れてしまって、流されてしまうのはやっぱりダメなんだなあ、って。<力>に抗(あらが)ったり立ち向かったりすることは必ずできると信じたい、そんなふうに思いました。

小説ではありませんが、『アンダーグラウンド』も思い入れのある作品です。私は1984年生まれなので、「オウム事件」のことは大まかなレイアウトしか知りませんでした。そういう状態で、事件に様々
(さまざま)な形で関(かか)わった人たちのインタビューを読んで、同じ出来事でも立場が異(こと)なればこんなに見え方が違(ちが)うのかと驚(おどろ)きました。<地下鉄サリン事件>がものすごく大きな出来事としてずっと残っている方もいれば、正直(しょうじき)、そこまでではない、地下鉄に乗(の)り合わせていて、混乱(こんらん)に巻き込まれたけど、そのまま過ぎ去ってしまった出来事と捉(とら)える方もいる。起こっている事件はひとつだし、その<時>というのはひとつしかないのに、いろんな人の目線(めせん)で事件を見るとまるで姿が違(ちが)って見える。それを読んで、村上春樹さんは<ひとつしかないオウム事件>ではなく、<それぞれの世界で起こったオウム事件>を描きたかったのではないか、そう感じたんです。オウム事件に限らず、この世に起こるすべての出来事は、極端(きょくたん)に言うと、関わった「一人ひとりの世界」の中で起きているのだから、見え方は全部違って当然。でも、そうであるのならば事件や事故の中心にある人やものって一体何なんだろう?――すごく簡単に言えば、「いったい、誰(だれ)が悪いんだろう?」ということをすごく考えました。直接関(かか)わっていないから、と世の中で起きた事件や事故と自分とを切り離(はな)して考えていてはいけないと思うようになったんです。誰にだって、<大きな暴力>に負けてしまう可能性はあるのですから。私たちは日々いろんな世界とその場その場で向き合っているけれど、きちんと向き合えてないもの、そして時間の流れの中で失われていくものもたくさんある。その「<失われた場所>にあった自分」に思いを馳(は)せることの大切さを、村上春樹さんの小説は教えてくれます。だからこそ、同世代の皆さんにも読んでほしい。本当にそう思います。

ふくだ・まゆこ
ドラマ、映画などさまざまな分野で活躍。若手演技派女優として注目される。最新出演作は『桜、ふたたびの加奈子』(4月6日公開)。5月には舞台『いやむしろわすれて草』(青山円形劇場)、8月には、日仏合作映画で主演した『フレア』のフランス先行公開が控えている。
大の読書家で、好きな作家は川上未映子、村上春樹、町田康、金原ひとみほか。
(文・構成= 門賀美央子)
posted by mayuko at 13:15| 本に出た福田さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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